原油価格が7年ぶりに高値まで上昇しています。リーマンショック、コロナショックと経済危機の際に原油価格が低下していることがわかります。が、コロナショックの時はなんと原油先物価格がマイナスを叩き出すという異常事態がおこりました。今日は何故、そのようなことがおこったのか先物取引特有の注意点についてまとめたいと思います。
商品先物の注意点
商品先物コモディティーは保管コスト(コスト・オブ・キャリー)などが先物価格に反映されます
先の限月の価格が高い状態のことを コンタンゴ と呼び
先の限月の価格が低い状態のことを バックワーデーション と言います
先物指数は近い限月を売って、先の限月を買う取引を定期的におこない残存日数を一定期間に保つことで算出されます。
コンタンゴの状況では安い期近を売って、高い期先を買うため先物指数は減価していきます JPXサイトの説明もご覧下さい
さて、商品先物コモディティーは保管コストがかかるものがあります。原油や天然ガスを貯蔵するにはタンクやパイプラインなどの設備が必要です。
先物取引の価格には商品の保管コストが反映されます。
期先になるほと保管コストがかかりますので先物の値段も高くなりコンタンゴとなります。確かに考えてみたらまあ、そうかなという感じですね。バックワーデーションは期近の値段が跳ねたときにみとめることがあります 楽天証券の説明もご覧下さい
小麦などが異常気象で不作になると供給不足のため価格が高騰することがありバックワーデーションとなります。
原油先物のスーパーコンタンゴはなぜおこったか?
2020年5月と2020年6月の原油先物価格の差が7ドル近くに広がり、スーパーコンタンゴと呼ばれる状況となりました。
2020年新型コロナウイルスの感染拡大で世界の石油需要が低下しました。外出制限、ロックダウンにより原油の在庫が急速に増えました。
さらに当時原油の需要回復の見通しが非常に暗かったため、投げ売りも相まって
原油先物価格がマイナスとなる異常事態となりました。
まさか原油価格がマイナスになるなんて事態は想定しようもなく底打ち期待で投資家は買いをいれましたが先物については決済期限があるため損失となってしまいました。ETFであれば最終的には回復上昇となるのですが、前代未聞のマイナス価格を先物が呈したためETF自体の
償還リスクも懸念される事態となりました。
まとめ
商品先物については特有のコストなどの問題があり、通常起こりえない異常な事態にはとんでもない値段がつくということは覚えておいて良いと思います。