米国株に投資するS&P500と全世界株式指数に投資する(オール・カントリー)両インデックスは高い人気を誇ります。全世界株に投資するオルカンと米国株に投資するS&P500、どちらも魅力的です。
今回の記事では、両方を購入するメリットとデメリットについて考えてみます。
両方を購入するメリット
両方を購入するメリットですが、オルカンとS&P500の両方を持つことでより広範に分散させることが可能ですね。
- 広範なリスク分散: オルカンとS&P500の両方を持つことで、地域や業種への投資によるリスクを分散させることができます。
- 世界経済の成長に連動: アメリカ以外の国や地域の成長も取り込むことができ、長期的なリターンの期待が高まります。アメリカ以外の国、インドなどが経済成長する可能性も指摘されていますね。
- 精神的安定感: 両方を保有しているという精神的な安定感はあります
両方を購入するデメリット
デメリットですが、
- 手数料の上昇: 両方のインデックスに投資することで、手数料が増加する可能性があります。
- 経済の相関性によるリスク: アメリカ経済が下がると、全世界の経済も影響を受けるリスクがあります。そもそも全世界はアメリカの比率が高いので似たような動きとなってしまう特徴があります。
- ポートフォリオのサイズ管理の複雑化
などがあります。
結局アメリカ連動なのでアメリカが下がったときは全世界全て下がるというリスクがあります。
また、どちらかの比率を増やすとアメリカ、全世界の比率が変わってくる問題が生じるため厳密に管理したいときはポジションの管理は面倒になってきます。
両方の購入バランスについて
S&P500とオルカンのパフォーマンスを重視するのか、50%ー50%でバランスをしたいのかで考えは変わってきます。
SP500とオルカンのパフォーマンス比較
現在のパフォーマンスを見てみましょう
eMAXIS Slim米国株式(S&P500),eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の比較チャートです
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の設定来データを用いました
2018年10月からの比較になります。Valueは円で為替ヘッジなしになります。
設定来リターン
- オルカンのリターン: 約98.13%
- S&P500のリターン: 約126.66%
全米株の調子が2023年に入ってから良いのでリターンはS&P500の方が良いですね。基本的には同じか、S&P500がアウトパフォームする傾向を最近は認めています。
オルカンとS&P500を1:1のパフォーマンス
オルカンとS&P500半分ずつ50%持つとどんなパフォーマンスになるかというと、その中間になります。リターンは約112.4%
1:3と3:1(25%と75%)のパフォーマンス
比率を変えてみたものを示します。これも比例した結果となります。実際は一括買いではなくて、積立てが多いと思いますのでリターンもグラフも変わってくるので注意して下さい
各戦略のリターン比較
Asset/Strategy | Return (%) |
---|---|
オルカン | 98.13% |
S&P500 | 126.66% |
1:1 | 112.40% |
1:3 | 119.53% |
3:1 | 105.26% |
S&P500の方がリターンが高いので、比率が高い方がリターンが高くなります。
一方、オルカンについては2022年などは下落耐性を示しており安定感があるとも言えます。
総じて似たような動きとなることは覚えておいた方が良さそうです。
将来のパフォーマンスはわかりませんので、世界経済の伸び具合をみて劣後している方の比率を増やすのも他の地域の伸びを期待するという点で面白そうです。今後も最適な比率について検討していきたいと思います。
コストについて
信託報酬はS&P500の方が優れていたのですがオールカントリーが一気に半分に下げコストは上回ってきました。将来的にはS&P500も下げるかもしれませんがオルカンのメリットが生じています。
信託報酬比較
オールカントリー年率 0.1144%→年0.05775%に引き下げ vs S&P500 0.0968%
将来的な展望
どちらのインデックスも長期保有では大きなリターンを上げていることが特徴です。そのため、長期的な視点は重要と考えられます。
リスク分散の観点から言うとオルカンとS&P500は似たようなパフォーマンスとなることから他の債券や金などを組み合わせる戦略もとれるかもしれません。
まとめ
オルカンとS&P500の両方を購入するメリット、デメリットを考えました。どちらも分散が効いているインデックスなのでそれぞれ1本で投資す戦略もあります。手数料や世界経済の状況で、今後はパフォーマンスが変化する可能性があるので引き続き追っていきたいと思います。
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