医学部入学条件として特定の地域で働くことが求められる「地域枠」制度、
実はこの地域枠を離脱する医師が問題になっています
専門医資格条件がペナルティーとして使用されている流れとなっており、
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医師不足を解消するために導入された「地域枠」制度。しかし、この制度からの離脱者が増加し、ペナルティーが厳しくなっています。本記事では、地域枠離脱者への専門医資格に関する新たな規制について詳しく解説します。
地域枠の問題は、医師間の不公平感が強いです。
というのも、これ該当する医師は若手医師なのです。昔はなかったシステムなんですね
非医師からは、若い先生が地域で何年も働かないといけないんだねー大変だね!となるわけではなく
地域医療の医師偏在をなんとかしなさい!ということが主目的と考えられます
離脱者には厳しい傾向
医師少数県12県(青森、岩手、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、長野、静岡、宮崎)でつくる「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」(会長・達増 拓也岩手県知事)
が提言されており、今年2023年は
地域枠離脱者で、奨学金等を出している都道府県が離脱を不同意と認定した場合は、専門医資格の認定及び更新を行わないようにしろということです。専門医資格はあきらめろと言わんばかりの内容です
日本専門医機構の見解
これらの背景を受けて、日本専門医機構の見解がだされました
専門研修制度における地域枠医師の取扱いと専門医の認定について<リンク>
内容を引用しておきます
不同意離脱に対する本機構の態度を再度検討し、 以下のように訂正する。
専門研修制度における地域枠医師の取扱いと専門医の認定について
1, 本案件はあくまで都道府県もしくは大学と専攻医の間の“取り決め” であることから、
当事者同士で十分な検討がなされるべきものと考えられる。
2, 日本専門医機構は専攻医の専門研修の充実を図るべくプログラム統括責任者に依頼す
る立場である。
3, 当事者同士の協議で合意できなかった場合は、日本専門医機構は当該都道府県もしく
は大学とともにプログラム統括責任者にプログラムの再考を促す。
4, 日本専門医機構は、 都道府県もしくは大学から 不同意のままのプログラムである とい
う指摘があった場合は、 都道府県もしくはプログラム統括責任者と 専攻医の間で解決
できるよう橋渡しをする 努力をする 。
5, プログラムが進行した後でも、都道府県もしくは大学から不同意のままのプログラム
であるという指摘があった場合には、 日本専門医機構は専攻医が不利にならないよう
改めて関係者間(都道府県、大学、基幹施設、 プログラム統括責任者、 専攻医当事者)
による協議の場を設ける 。
6, 日本専門医機構は、 専攻医が、こうした協議による 解決策に応じることを期待するも
のである。しかし、解決が得られず、不同意のまま離脱した場合は、 専攻医はその医療
機関プログラムの研修は専門研修とは認められず、 専攻医を採用した医療機関は、次
年度の採用定員を減ずる 。
なお、産業医科大学などを卒業し従事要件の課せられている専攻医についても、上記に準
じて対応するところである。
1,~ 5,については本紙公表時点から、 6,については 2024 年度専攻医採用及び本紙公表
以降のプログラム等の異動※から適用するものとする。
(※) 既に専門研修プログラム等に参加している専攻医が、別のプログラム等に異動すること。
専攻医が当事者同士で話し合いを行うような内容になっていますが、
特筆すべきは 解決が得られず、不同意となって離脱した場合
専攻医が受けた研修は、専門研修とは認められず
該当の専攻医を採用した医療機関は、次年度の採用定員(専攻医枠)を減らす
と両者にペナルティを課す内容となっています。
なんと、この内容は2024年度採用専攻医、プログラムから適用!次年度から早速適用となっています。
専門医を諦めたら、離脱できてしまうというシステムもどうなのかとは思いますが
この地域枠のDutyは9年間地域医療に従事することが条件となっています。大学入学時の条件となっているのですから、このあたりは仕方ないところかもしれません。
今後も議論が続きますが、本来の趣旨であれば地域枠の離脱率を下げるというところが対応策の趣旨になろうかと思います。
まとめ
地域枠離脱者へのペナルティーが強化され、専門医資格の認定・更新が拒否される可能性がある新たな規制について解説します。
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