ふと、Twitterで麻酔専門医の更新問題が目にとまりました。
他科ということもあり事情をあまり存じなかったのですが、専門医の更新で問題があるようです
麻酔学会の認定更新については、こちらのリンクにあります
特に女性医師にとって、産休や育休の期間が専門医更新に影響することが大きな課題となっています。この記事では、麻酔科専門医の更新要件やその背景、そして問題解決のための提案を詳しく解説します。
麻酔科専門医の更新問題とは
専門医更新の厳しい要件
麻酔科の専門医を維持するためには、以下の要件を満たす必要があります
単位取得や研究実績など申請似条件があるのですが、どうやら以下の申請要件がネックになっているようです
<申請要件>
今後の 学会専門医の更新申請について より引用
(1)現に専門医の資格を有し 、その認定期間が終了する年度に達し ていること
(2)専門医の資格を取得後、主たる業務として引き続き 週 3 日以上麻酔科関連業務に 従事していること
(3)更新申請する年の 5 年前の 4 月 1 日から更新申請する年の 3 月 31 日までの間に、所定
の研究実績があること
主たる業務として引き続き 週 3 日以上麻酔科関連業務に 従事していることを4年間が条件です。
一方、新内科専門医では6ヶ月が許容されています。この6ヶ月育休、産休で考えると内科専門医は対応しているわけです。
なぜ、麻酔科ではこのような問題があるのでしょうか?
産休・育休期間の問題
妊娠、出産、育児、病気療養、介護、災害被災、国外留学
は週3日以上麻酔科関連の業務に従事できなかった期間がある場合、非従事期間の申請ができます。
言い方を変えると、それだけ専門医の取得が遅くなります。
専門医取得と、出産時期がもろに被っている形で多くの先生が苦労しているという背景です。
もう1回、書きますが、産休育休期間は研修期間とは認められないというわけです。
専門医取得には、4年間麻酔科関連業務週3日以上専従というハードルをクリアする必要があります。
更新についての問題
5年間のうち出産を2人行った場合に、非従事期間が2年というカウントになって、自動的に更新申請ができないということも問題なっているようです。この場合は、再認定を申請するという形になっていると思います。
単一施設に週3日で勤務要件となった背景
フリーランス医問題
日経Medical onlineの記事がありました
麻酔科にはフリーター問題があります。これは2000年代に外科診療報酬が上がったことで手術件数が増えたところで麻酔科医が足りなくなったことを背景に、麻酔科医が足りない病院では報酬を上げることで麻酔科医を雇っていたという背景があります。
麻酔科医がバイトだけで高収入を得ることができる背景があったわけです。
そのような背景を受けて、麻酔科の先生が週3日以上勤務でないといけなくなったようです。
フリーランスでやる場合は麻酔科の専門医を維持できないということになるようです
先生方の声
Twitterの声
ちなみに専門医維持困難というのは、うちの学会が五年以内にトータル二年以上休業(育休産休)すると維持ができなくなるから。34歳初産だった私がここクリアするためには年齢的にも間隔開けられないし維持のためにも難しいなと🤔37歳初産の同期は年齢的に間隔開けられないから二歳差で二人出産したら→
— chocolat@まだW杯ロス (@chocolat5518) January 13, 2023
麻酔科は同一施設で週3が専門医維持に必要となります
皮膚科も同様な方針になっているとのことですが、これはフリーランスや美容に流れるものを食い止めようという学会の方針でしょう
今後他科も制限される可能性はあります
一時的なフリーランスを考えている方は、お早めに行動しましょう https://t.co/FRA3UxtHdl
— おると🦴整形外科医 (@Ortho_FL) January 27, 2019
麻酔科専門医維持のためには単一施設で週3日以上の勤務が必要。
フリーの麻酔科医は稼げるんでしょ?とよく言われますが、完全フリーは専門医を失うことを覚悟してやることになります…
— カエル@田舎派遣中 (@zH8N9q3wccvEZLQ) October 12, 2020
まとめ
麻酔科全体の問題が専門医認定にまで影響している構図がわかりました。さらには、バイトだけで高収入を得ている先生への学会対応とも考えられました。いずれにせよ、現状のシステムでは女性麻酔科医にとって著しく不利な状況であることから何らかの対応が妥当に思います。
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